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『平清盛』感想その4

 『平清盛』感想。平家サイドについてもう少し書いとこう。
 宗盛は時忠がごちゃごちゃ言わなければもう少し素直に兄に従えたんじゃないかなあ。基本いい子なのに、生まれた時から間が悪かった(泣)。でも最後の大仕事(還都)を必死にやり遂げたのにはジーンときたよ。
 
 終盤になって平家が源氏に押され始めた時の伊藤忠清の諫言には「おおおお!」と感心した。この人武芸担当というか筋肉担当だったのに、一族の中で一番現状を把握して、平家が何故ダメになったかを見抜いていた!
 確かに清盛は国を良くするために政治を動かせる権力を手に入れようとしていたけど、結局貴族と肩を並べる為にどんどん貴族化してしまったんではないだろうか。忠清の「殿の目指す武士の世は、武士のままでは成し得なかった」という意見は、ものすごく納得がいった。分かりやすい解説をありがとう忠清。

 時忠は他にない種類の人間だったなあ。徹底した合理主義と上昇志向。見栄も意地もなく強い者の下について自分の地位も上げてもらう。清盛にとってはすごく便利な部下だった。でも基本的に姉ちゃん大事。いつまでも、姉が正妻だから跡継ぎはどうのこうの言ってるのが、ちょっとかわいかった。
 そしてまさかあの超有名なセリフ『平家にあらずんば人にあらず』を言ったのが時忠だったとは。清盛じゃなかったの?このセリフが聞けた時はテンション上がったわ~!てっきり貴族達とか色んな人達の前でドヤ顔で言うのかと思っていたら、あんなふうにひっそりと、決意するように言ってたので意外だった。
 平家没落の後も保身に成功して生き抜いていたとは、ホントぶれない人だったなあ~。忠義より自分大事。
 
 そして源氏サイド。頼朝の流人時代というかあの「明日が来ない」時代はホント籐九郎ご苦労様だった。最初の頃の政子が、昔の清盛の小犬ぶりと肩を並べる小猿ぶりだった(笑)。すんごい野生児。そして頼朝は都会育ちのもやしっ子。
 政子の父北条時政が……なんか、いい声だなこの人……。声を張らない静かな声なんだけど、すごく耳に入ってくる。いやー聞き入ってしまった。

 義経のキャスティングが感慨深くてしょうがない。『義経』観てました。つまり義経の幼少期を演じた神木隆之介を観てるんですよ。青年期を演じられるところまで成長するとは。そんなに時が経ったか~。
 義経と弁慶のやり取りが面白くて和んだなあ。というかそもそも弁慶がおかしい。お前は何で用もないのに源氏サイドをうろちょろしてたの?義経の影も形もない頃に祖父にあたる為義にちょっかい出したり、義経を身篭り中の常盤を助けたり。もうこっちサイドに将来の主君が生まれるのが分かってるみたいな顔出しぶりで可笑しかった。そして五条大橋でご対面。義経を抱き上げてくるくる回ってるさまは、ようやく主君ゲットしたぜーーーっていう喜びに溢れていた(笑)。お前ホントおかしい(褒め言葉)。

 平家が目指した武士の世を、それに対抗する形で源氏が作った、ということになるんだろうか。皮肉だなあ。どちらが欠けても武士の世はできなかった。でも最終的に源氏がいいとこ取りしたという印象が強い。

 最後に清盛について。序盤の父上に反抗してキャンキャン吠えてた子犬時代(本人は狂犬のつもり)がかわいかったな。自分の存在に悩み、武士とは何かを父に学び、信西に会って国のことを考えるようになる。義朝と競い合い、棟梁として家を守り、家臣や家族に支えられる。色々な人から影響を受け、成長していくのを観るのは楽しかったし、辛いことを乗り越えて朝廷で出世していくのも爽快感があった。

 しかし『平清盛』が今までの大河と違っていたのは、清盛が政治の頂点に立ち、『為政者』となったことだった。公式HPにそれが書いてあって、なるほど!と思った。確かに今までの大河の主人公は、主に仕えるものだったり、地位が高くてもせいぜい一国の城主だったり、または姫だったりしていた。私が観たことのない昔の大河には為政者の主人公もいたかもしれないけど、ここ数年ではなかった。
 日本のことを考えて国の頂点を自ら目指した清盛は、登りつめた先が闇の中だったことを思い知った。『平清盛』の見所の一つは、為政者だけが見る『闇』を描いた点だと思う。
 自分は国を栄えさせる為に尽くしてるのに誰も分かってくれない。無茶な遷都をしてどんどん人心が離れていく。その孤独と苛立ちは今までの大河の主人公には無いものだった。

 松山ケンイチの終盤の演技はすごかった。入道になった頃はまだ若々しかったけど、重盛を失ってから後がホントに老人にしか見えなかった。メイクの効果もあるんだろうけど、動きとか声とかが確かに老人。もうずっと感心しながら見てしまった。大河は人の一生を演じるものだから、これまでの主演だって高齢を演じているんだけど、私が観た中では松山ケンイチが一番上手だった。
 ドラマの終わり方も良かったなー。「海の中にも都はあります」をほんとにやってくれて。満足感のある終わり方だった。

 まだまだ感想書ききれていないけど、このへんで終わりにしときます。
 終わってから一気に書かないで、放映中にちょこちょこ書けば良かったものを。まったくいつもこんな調子ですよ。
 視聴率に関係なく、素晴らしいドラマが観れて大満足な人間がここに一人いる、ということは書けたので良しとしますか。
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テーマ : 大河ドラマ 平清盛
ジャンル : テレビ・ラジオ

2013-02-28 : ドラマ : コメント : 0 : トラックバック : 0
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まみや海峡

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