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『青い塩』感想

 『青い塩』感想。
 ソン・ガンホ主演映画4作目です。追っかけるよ、どこまでも。
 元ヤクザで組から一目置かれていたドゥホン(ソン・ガンホ)は、夢だったレストラン開業のため料理教室へ通う。そこで出会った少女セビンは、別のヤクザからドゥホンを調べるよう命じられていた。やがて組長の死を巡って、組同士の抗争や暗殺の応酬が激化し、ドゥホンとセビンも否応無く巻き込まれていく。

 伝説のヤクザなんて言われているドゥホンだけど、そこはまあソン・ガンホなんで外見は全然怖くなくて、料理をやや不器用に作っているところなんかめっちゃかわいい。ただの人懐っこいおじさんにしか見えない。しかし命を狙われ車に撥ねられたシーンでは、明らかにスイッチ切り替わったのが判った。血を垂らしながら無言で車に近づき、窓ガラスを拳で叩き割って運転手の胸倉掴む。かっこいいったら!こりゃ確かに伝説のヤクザだわって思った。
 
 セビンは精一杯背伸びしてる若者らしい可愛らしさに溢れてたなあ。すごい美人というわけではないんだけど、頬が丸くて、口がキュッとしまってるのが、なんかかわいい。ヤクザに借金を負わされて、一般からは外れた道を歩んでいるせいで、投げやりで達観しているんだけど、ドゥホンといるとツンツンした女の子の顔になるのがかわいい。
 革ジャン着てバイク乗り回すのに、料理教室では手馴れた様子で料理するのが意外。しかも丁寧にじゃなくて、豪快に。鶏肉をズダーンって叩き切ってるのを見てドゥホンが目を丸くするのがまた楽しい。料理教室のシーンは良かったな。
 しかし元射撃選手で銃の扱いはプロ級。まだ幼いようなかわいい顔で、ライフルを何でもないように組み立てるギャップがなんとも言えずかっこいい。けど普通の女の子じゃない感がちょっと切ない。
 
 そのうちセビンがドゥホンを暗殺する必要に迫られて、もう会わないようにするんだけど、ドゥホンは呑気に「クラスメイトだろう?」って笑ってて、お前はよう……ほんとに人たらしだよ……と何回思えばいいのか。
 ドゥホンも組を抜けたのに、まだ跡継ぎの実力アリと見られて外部からも内部からも警戒されてて、舎弟も変わらず兄貴として慕ってて、呑気に料理作ってる場合じゃなくなってくるのが、不謹慎だけどわくわくしてくる。一生懸命材料をグラム単位で計ってる場合じゃないよドゥホン。

 面白かったのが韓国のヤクザ模様。マフィアじゃなくてヤクザ。殺された組長の葬式を寺でやる時の様子が、日本そっくり!黒服の組員がずらーっと並ぶ中を、組の重鎮達が進んでいくのとか、ホント日本のヤクザと変わらないのがやけに可笑しかった。

 ドゥホンの住んでいるマンションの一室を、向かいのビルからライフルで狙うセビンだけど、ついついスコープでドゥホンの動向を観察してしまう。おいおい、おじさんウォッチングになってるよセビン。でも気持ちは分かるよ。なんか見ていたくなるよね、ドゥホンっていうかソン・ガンホって(笑)。
 引き金を引こうとした瞬間の花火に、ドゥホンもセビンも驚く。その後のドゥホンの行動といったら…。この天然人たらしめ…!ってセビンも思ったに違いない。気を抜くとこの映画の感想全部「人たらしめ」で終わっちゃうんだけど。

 年齢はだいぶ違うのに、というか違うからこそ、ドゥホンは精一杯強がっているセビンがかわいいし、こんないい子がヤクザ絡みの暗殺なんて裏の事に関わるのが、どうしようもなく悲しいんだろう。セビンも、自分をかわいがってくれる人の良いおじさんに、何のしがらみもなく甘えられないのがもどかしくて悔しくて、何もかも嫌になってくる。
 お互いただの愛情じゃないのが何とも言えず良い。「知らないだろう。タラ汁作ってるお前が、どれだけかわいいか。」という台詞がこの映画の全てなんじゃないかと思う。男女の愛の2、3歩手前、庇護欲とも微妙に違う何か。それがドゥホンを動かしていく。

 なのにドゥホンの忠実な舎弟のエックは、部屋に居候しているセビンを見て、真顔で「援助交際はいけません」。本人すっごく真面目なのがおかしい。ドゥホンが、愛情には色々あってだな、と説明しても、たぶんまったく分かってない。忠犬はあまり話を聞かないのだ(笑)。
 
 セビン以外にも、直接命を狙ってくるヤクザ達とのアクションが見応えあった。あっちは複数で、しかもナイフ使ってきて、こっちは丸腰で一人。ナイフが当たりそうで見ていてヒヤヒヤしたけど、ソン・ガンホはアクションもすごかった!かっこいい!今までの役で一番かっこいいんじゃないの?エックもかっこよかったよ。


 ここからネタバレ。未視聴の方はご注意ください。

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ジャンル : 映画

2014-03-26 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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